モラハラ夫への離婚の切り出し方とは?安全に進める方法を弁護士が解説
目次
配偶者からの心ない言葉や態度に苦しみ、離婚を考えているものの、どのように話を切り出せばよいか分からないと悩む方は非常に多くいらっしゃいます。
相手がモラルハラスメントの傾向を持っている場合、離婚を切り出すこと自体に大きな精神的負担や恐怖が伴うのは当然のことです。一般的な夫婦のように、話し合いで円満に解決することは困難なケースが大半を占めます。
対応を少しでも間違えれば、相手を激高させ、さらなる被害を受けてしまう危険性もあります。だからこそ、安全かつ確実に関係を解消するための正しい進め方を知っておくことが不可欠です。
本記事では、離婚問題に数多く携わってきた弁護士の視点から、モラハラ夫に対して安全に離婚を切り出すための具体的な方法と、事前に不可欠な準備について詳しく解説いたします。
モラハラとは
夫婦間におけるモラルハラスメントは、目に見える傷が残らないため周囲に気づかれにくく、被害者自身も知らず知らずのうちに追い詰められてしまうという特徴があります。離婚手続きを安全かつ円滑に進めるためには、まずモラハラの基本的な概念と、どのような言動が該当するのかを正しく理解しておくことが重要です。
モラハラとは何か
モラハラとは、モラルハラスメントの略称であり、言葉や態度によって相手の尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与える行為を指します。身体的な暴力であるドメスティックバイオレンスとは異なり、外傷が残らないため、周囲からは被害が見えにくいという特徴があります。
家庭内という密室で行われることが多く、被害者自身も精神的に支配されてしまい、自分が被害に遭っているという認識を持ちにくい傾向があります。
モラハラに該当する行為とは
具体的にどのような行為が該当するのか、いくつかの例を挙げます。
一つ目は、暴言や侮辱です。お前は何もできない、誰のおかげで生活できているんだといった言葉で、相手の価値を否定し続けます。
二つ目は、無視や冷遇です。気に入らないことがあると何日も口をきかなかったり、あからさまにため息をついたりして、相手に罪悪感を抱かせようとします。
三つ目は、行動や交友関係の過度な制限です。配偶者の外出を細かくチェックしたり、実家の家族や友人との付き合いを非難して孤立させようとしたりします。
四つ目は、経済的な圧迫です。十分な生活費を渡さなかったり、配偶者が働くことを禁止したりして、経済的に自立する機会を奪います。
これらの行為が日常的に繰り返されている場合、それは精神的な暴力と言えます。
モラハラ夫に離婚を切り出す前に必要な準備とは
相手の性格を考慮すると、何の準備もなく突然離婚を切り出すのは非常に危険です。相手が素直に応じる可能性は低く、激しい反発を招くおそれがあります。安全に進めるためには、事前の十分な準備が明暗を分けます。
モラハラの証拠を集める
協議がまとまらず調停や裁判に進んだ場合、相手の行為を客観的に証明するための証拠が必要になります。加害者は外では良い夫を演じていることが多く、事実を否定してくるためです。
有効な証拠としては、相手の暴言を記録した音声データや動画、威圧的な内容が記されたメールや通信アプリの履歴などが挙げられます。また、いつ、どこで、どのようなことを言われ、自分がどう感じたかを詳細に記録した日記も証拠として認められることがあります。精神的な苦痛から心身に不調をきたしている場合は、心療内科などの診断書も取得しておきましょう。
離婚後の別居先、資金を確保する
モラハラ夫との離婚協議は、同居したまま進めることは極めて困難です。相手の支配下にある状態では、対等な話し合いはできません。そのため、離婚を切り出すのと同時、あるいは切り出す前に別居を開始することが基本となります。
まずは実家や賃貸アパートなど、相手に居場所を知られない安全な別居先を確保してください。それに伴い、引越し費用や当面の生活費などの資金準備も不可欠です。別居後の生活費については、相手に対して婚姻費用として請求する権利がありますが、実際に支払われるまでには時間がかかることも想定し、当面をしのげるだけの資金を手元に用意しておくことが重要です。
モラハラ夫への離婚の切り出し方
準備が整ったら、いよいよ離婚の意思を伝えます。ここでも、相手のペースに巻き込まれないための慎重な対応が求められます。
弁護士を代理人にして受任通知を送る方法
最も推奨される安全な方法は、弁護士に依頼し、弁護士から相手方へ受任通知を送付することです。受任通知とは、弁護士があなたの代理人として交渉の窓口になったことを知らせる書面です。
この書面には、今後は本人に直接連絡を取らないよう記載するため、直接の接触を断つことができます。専門家が介入したことで相手も事態の深刻さを理解しやすくなり、不当な要求や暴言を抑止する効果が期待できます。
別居後に書面(内容証明郵便など)で通知する方法
弁護士に依頼しない場合でも、同居したまま直接伝えることは避け、まずは別居を完了させます。物理的に安全な距離を確保した上で、内容証明郵便などの記録に残る形で離婚協議の申し入れを行う方法です。
書面で伝えることで、感情的な衝突を避けつつ、離婚の意思が固いことを明確に示すことができます。ただし、相手から直接電話がかかってきたり、居場所を突き止めて押しかけてきたりするリスクへの対策は事前に考えておく必要があります。
第三者(親族や知人など)を交えて対面で伝える方法
どうしても自分自身の言葉で直接伝えたい事情がある場合は、絶対に二人きりの空間は避けてください。密室では相手が激高し、危害を加えられる危険があります。
実家の親族や共通の知人などの第三者に同席してもらい、カフェやホテルのラウンジなど、人目のある公共の場所を選ぶことが重要です。第三者の目があることで、相手の暴力的な言動をある程度抑えることができます。
離婚を切り出す際のポイント・注意点とは
実際に離婚の意思を伝える際には、相手を刺激しない対応を心がけることが大切です。
相手のこれまでの非を責め立てたり、過去の出来事を持ち出して議論しようとしたりすると、相手のプライドを傷つけ、話が全く前に進まなくなります。目的は相手に非を認めさせることではなく、離婚を成立させることです。
したがって、感情的にならず、これ以上一緒に生活していくことはできないという結論のみを淡々と伝えることがポイントです。相手が反論してきたり、責任を転嫁してきたりしても、決して言い合いに応じず、沈黙を守るか、自身の意思は変わらないという事実だけを伝えてください。
また、相手の言動に身の危険を感じた場合は、ただちにその場を離れ、躊躇せずに警察に相談するなど、自身の安全を最優先に行動してください。
モラハラ夫との離婚を検討されている方は、高橋善由記法律事務所にご相談を
精神的に追い詰められている中で、一人で離婚に向けた準備を進め、相手と交渉していくのは並大抵のことではありません。相手からの報復を恐れ、行動を起こせずにいる方も少なくないでしょう。
高橋善由記法律事務所では、これまで多数の離婚問題を解決に導いてきた実績がございます。ご相談者様のお話を丁寧に伺い、安全を第一に確保した上で、お一人おひとりの状況に合わせた最善の進め方をご提案いたします。
弁護士が代理人となる場合、弁護士が代理人として交渉を全て引き受けますので、相手と直接連絡を取る精神的負担から解放され、平穏な生活を取り戻すための第一歩を踏み出すことができます。
未来に向けた新たなスタートを切るために、まずは当事務所までご相談ください。一人で抱え込まず、一緒に解決への糸口を見つけていきましょう。

投稿者プロフィール

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弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。
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