外国人との離婚

外国人と国際結婚をした日本人が外国人配偶者と離婚をする場合、日本人同士の夫婦のように、当然に日本の法律に従い、日本の裁判所で手続きができるとは限りません。
 

IMG_2845.jpg


この場合、どちらの国の法律に従うのか、という「準拠法の問題」と、どちらの国で裁判をするのか、という「国際裁判管轄の問題」が生じますので、それぞれ検討を要します。
 

準拠法の問題について

日本では、「法の適用に関する通則法」により、以下のとおりの取り扱いとなります。
夫婦の本国法が同一であるときはその共通の本国法による
共通の本国法がないときは夫婦共通の常居所地(相当な期間居住している地)法による
共通の常居所地法もないときは夫婦に密接な関係のある地の法による
ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは日本法による
 
したがって、日本に常居所を有する日本人が、外国人配偶者と離婚をする場合は、④により、日本法によることになります。

そして、日本法によることになれば、日本法で認められている協議離婚の方法で離婚をすることもできることになります。ただし、外国人配偶者の本国において、協議離婚の方法が認められていなければ、その本国においては、離婚とは取り扱われないことになります。この場合、外国人配偶者の本国において、別途、離婚が認められる方法をとる必要があるケースも考えられます。

 

国際裁判管轄の問題について

次に、日本法で認められている調停離婚、裁判離婚等ができるかどうかは、国際裁判管轄の問題によることになります。

国際裁判管轄については、法律はありませんが、最高裁判所の判例により、原則として、被告の住所地国が裁判管轄を有しますが、例外的に、①原告が遺棄された場合(被告が原告を置いて国外に行ってしまった場合等)、②被告が行方不明の場合、③その他これに準ずる場合は、原告の住所地国が裁判管轄を有することになります。

したがって、外国人配偶者の住所地が日本である場合や前述の例外事由に該当する場合は、日本の裁判所において手続きをすることができ、調停離婚、裁判離婚等が可能となります。


外国人配偶者との離婚の問題は、日本の法律だけで解決できるものではなく、外国人配偶者の本国法等との関係も問題になり、容易には判断できないことが多いです。ここで触れた他にも、子どもの親権、養育費、財産分与、慰謝料等についても、日本人同士の夫婦の離婚とは異なる問題があります。外国人配偶者との離婚の問題でお悩みでしたら、ご相談いただければと思います。必要に応じて調査の上で、アドバイスをさせていただきます。
 

投稿者プロフィール

高橋 善由記
高橋 善由記
弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。