裁判離婚について

裁判離婚とは

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夫婦間の話し合いによって離婚を目指す協議離婚や、家庭裁判所における調停によって離婚を目指す調停離婚を試みたけれども離婚が成立しなかった場合、離婚を求める側が家庭裁判所に離婚訴訟を提起して離婚を目指す場合を裁判離婚といいます。この場合、訴訟を起こした側を原告、訴訟を起こされた側を被告と呼びます。
 

裁判離婚のメリットとデメリット

日本では、調停前置主義が採用されているため、調停を経なければ裁判に進めません。
裁判離婚は、文字通り裁判なので、法律の専門知識や技術が必要となってきます。

 

☆裁判離婚のメリット
●自分の望み通りになる、ならない、に関わらず、裁判により必ず決着する。相手同意有無7.jpg


●判決には調停調書と同様、強制力があります。
 
●裁判所が途中で和解を提案してくれる。

 

☆裁判離婚のデメリット
●法定離婚事由とその証拠が必要となり、高度の訴訟技術が要求される。
 

●弁護士を依頼した場合、費用がかかる。
 

true.jpg●裁判離婚をするためにはその前に離婚調停を申し立てる必要があるので、時間がかかる。
 

裁判離婚の条件

裁判離婚で離婚するという判決が下されるためには、民法770条1項で定められた法律上の離婚事由に該当しなければなりません。離婚事由は以下のとおりになります。

5つの離婚事由

①配偶者に不貞な行為があったとき(民法770条1項1号)

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不貞な行為とは、配偶者以外の人と性的関係を持つことをいいます。一時的なものか継続的なものか、また、愛情の有無は問いません。

②配偶者から悪意で遺棄されたとき(民法770条1項2号)

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悪意の遺棄とは、夫婦は互いに助け合って共同生活を送るべきところ、正当な理由もなく、相手を助けず、自分勝手な生活をすることをいいます。例えば、生活費を渡してくれない、勝手に家を出て一人で別なところで生活をする、といった場合は悪意の遺棄に該当します。

③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(民法770条1項3号)

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3年以上配偶者との連絡がつかず、生死が不明の場合は離婚事由に該当します。なお、7年以上連絡がつかず、生死が不明の場合は、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることが可能になり、失踪宣告がなされると、配偶者は死亡したものとみなされ、婚姻関係は終了することになります。

④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(民法770条1項4号)

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配偶者が精神病になったというだけで直ちに離婚が認められるわけではありません。医師による診断、これまでの介護や看護の状況、離婚後の配偶者の治療や生活の見込み等を考慮し、裁判所が判断を下します。

⑤その他の婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(民法770条1項5号)

5号は1号から4号には該当しない場合についての一般的な条項で、抽象的な表現となっていますが、婚姻関係が破綻して回復の見込みがない場合をいいます。

婚姻関係の破綻とは、夫婦が婚姻継続の意思を喪失しており(主観的要素)、婚姻共同生活を回復する見込みがないこと(客観的要素)です。婚姻関係の破綻の判断においては、客観的要素が重視され、特に別居の有無、期間が問題となります。

その他の婚姻を継続し難い重大な事由として、よく問題となる事由は以下のとおりです。
・暴行・虐待(ドメスティック・バイオレンス)
・性格の不一致、価値観の相違
・ギャンブル
・多額の借金
・宗教活動へののめり込み
・性交渉の拒否
・配偶者の親族との不和

 

裁判離婚の手順

裁判離婚を進めるためには、離婚を求める者(原告)が、離婚を求める内容を記載した「訴状」という書面を管轄の家庭裁判所(当事者の住所地、居所または最後の住所地を管轄する家庭裁判所)に提出します。
 
 家庭裁判所への訴え提起

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訴状の送達・第1回口頭弁論期日の指定
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 答弁書の作成・提出(被告)
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   第1回口頭弁論
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2回目以降の口頭弁論
(争点整理手続、証拠調べ、証人尋問等)

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    判 決
訴状には、離婚事由や離婚に関する条件等について、法律の要件に従って記載しなければならず、その作成は容易ではありません。そのため、訴状の作成は、離婚問題の専門家である弁護士に依頼することをお勧めいたします。弁護士は、詳しい事情をお聞きした上で、個々の相談者のケースに合わせて、適切な内容の訴状を作成いたします。

 

離婚裁判弁護士に依頼するつのメリット

●弁護士に離婚裁判を依頼すれば、その法律的知識・経験を利用して訴訟を進めることができる。

●弁護士に依頼した場合、依頼者の代わりに裁判所へ出頭してくれるので、基本的にご自身がわざわざ裁判所に行く必要がない。

●弁護士に離婚裁判を依頼すれば、裁判に必要な書面を作成してもらえる。

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和解での早期解決も

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訴え提起から判決までは長い期間を要することがあります。

時間だけでなく、弁護士との打ち合わせ、本人尋問のための出頭等、労力もかかってきます。
 
さらに、判決をもらっても、相手方が控訴すれば、確定しないので、さらに裁判は続くことになり、解決まで長期間を要します。
 
訴訟となっても、すべての事件で判決まで行くものではなく、裁判所を交えて、当事者間で話し合いができれば、和解によって早期に離婚成立となる場合もあります。そこで、訴訟に移行したとしても、可能であれば、早期に和解することが望ましいといえます。
 
裁判となった場合の正確な見通しを立てるためには、離婚裁判に関する豊富な知識と経験を有する、離婚に詳しい弁護士にご相談、ご依頼されることをおすすめします。

 

投稿者プロフィール

高橋 善由記
高橋 善由記
弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。